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社労士の労務管理アドバイスVol.1

こんにちは、社会保険労務士の濱崎です。

今回から3名の社労士が交代で労務管理に役立つ情報をお伝えしていきます。

 

私は、数年間労働基準監督署にいたので、その経験を交えてお伝えしようと思います。

 

今回のキッカケ話は「残業代を払っていたのに倒産した会社の話」です。

 

あるとき、50人規模の建設会社に勤める社員が相談にきました。

「固定残業代制度で給与を支払われているが、残業時間が多すぎるので残業代を請求したい」というのです。

固定残業代制度とは、最初に給与額の中に、取り決めした分の残業代を組み入れておく方法です。

雇用契約書を見せてもらったうえで、日々の残業時間がわかる記録を持っているのか?と聞くと、数カ月分の日報のコピーを机に置きました。

「賃金の請求は過去2年分できますよね。2年分あります」

 

彼は、就業時間を超える時間を全て残業時間として計算し直し社長に請求しました。

社長は、当然、拒否。

社長からすれば、残業代込みの給料で承諾していたのに、改めて全残業時間分を請求されたのですから、二重取りされる気分です。

その後、監督署が調査指導に入りましたが物別れに終わりました。

彼は、残業代不払いで民事訴訟を起こし、勝訴。

約300万円の残業代を手にしました。

 

でも、話はそれで終わらなかったのです。

勝訴の話をきいた社員が次々と、社長に残業代を請求。

総額は少なく見積もっても5,000万円です。

結局支払えず、監督署への相談から1年もたたないうちに、その会社は倒産しました。

社長にとっては、まさに青天の霹靂(へきれき)だったことでしょう

 

読んでいるあなたは「そりゃ、運が悪かったな」とか「なんで全額請求できるの?」とかいろいろな感想がわいたと思います。

気の毒な話ですが、今回気づいてほしかった点はもう少し違う部分です。

それは

  • 中途半端な労務管理の知識で運営すると、命とりになる
  • 法令遵守には、「うちは無理!」といった言い訳は通用しない

という点です。

 

「うちの業界は厳しいから、労基法とか守るなんて無理だよ」とか

「そんな法律は知らない」という経営者がかなり多いことは確かです。

 

でも、それは通用しません。

なぜならば、日本が法治国家だからです。

 

経営者であれば、労務管理を含めた経営に必要な法律は当然知っていなければならず、それを正しく運用することが大前提だからです。

(税法を知らないから納税しないことは許されませんよね、それと同じです。)

 

だからもし「うちは中途半端な知識で労務管理をしているかも」と不安に思ったら、監督署に相談してみてください。

さらに「うちはきちんと労務管理に取り組もう」と思ったら、社労士を探す、このSCT1%CLUBで情報収集する、アドバイスを受ける、といった行動に移してみることもよいでしょう。

 

最後に、この固定残業代をどう改善すればよかったか知りたいですか?

いくつかポイントがありますが、最低限、雇用契約書に、何時間が残業時間でそれに相当する賃金がいくらかをきちんと明確にする必要があります。

 

ご参考になれば、幸いです。

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