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社労士の労務管理アドバイス Vol.23

こんにちは。社会保険労務士の井下英誉です。
今月は私から労務管理に役立つ情報をお伝えします。

皆さんは、「個別労働紛争解決制度」をご存知でしょうか?
この制度は、平成13年に施行された労使の労働条件などのトラブルを解決するための制度で、監督署などへ総合労働相談センターの設置、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法が設けられています。

今年6月に厚生労働省が公表した令和2年度の本制度の施行状況では、総合労働相談の件数は約130万件と13年連続で100万件を超え、高止まりの状況が続いています。

また、総合労働相談のうち、民事上の個別労働紛争の相談内容(27万件)で最も多いのが、「いじめ・嫌がらせ」で、9年連続トップとなりました。

つまり、ハラスメント関連の相談が9年間ずっとトップということになります。

もちろん、この数字は相談件数ですので、これら全てが即労使紛争に至っているわけではありませんが、私が、企業からの相談や企業から受託している通報窓口にくる従業員からの相談を通して感じるのは、法的に問題がないレベルの言動でも「嫌がらせを受けている」と感じる人が増えているということです。

皆さんの中には、法的な問題がないレベルであれば企業のリスクはないのでは?と思った方もいると思いますが、本当にそうでしょうか?

例えば、次のように感じている人が多い職場は健全でしょうか?また中長期的にみて生産性は高まるでしょうか?(実際に相談があった内容です)

1.出社したくない
2.●●さんとは仕事はしたくない、かかわりたくない
3.●●さんが怖い、話すと緊張する

答えは、「No」ですね。

来年4月には、中小企業にもパワハラ防止措置が義務化されます。
その結果、リスクマネジメントとしての法的対応はますます重要になりますが、一方で、人的資源を生かした経営目標の達成という本質に立ち返れば、個々の生産性・パフォーマンス向上に目を向けたハラスメント対策が必要になると感じています。

 

 

 

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