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社労士の労務管理アドバイス Vol.15

こんにちは。社会保険労務士の井下英誉です。

今月は私から労務管理に役立つ情報をお伝えします。

 

最近、副業や兼業のご相談をいただくことが多くなりました。

皆さんの会社ではいかがでしょうか?

 

実は、社員の副業可否を検討するうえで意外と知られていない労務上の盲点があります。

 

それは、「社会保険」です!

 

実は、副業先の勤務時間によっては、副業先でも社会保険に加入する義務が生じる可能性があるのです。

なお、この場合の社会保険加入とは、健康保険証が2枚になるわけではなく、2つの会社の給与を合算して、適正な社会保険料を算定するという目的があります。

 

一方で、社員にとっては、将来の年金額が増えるというメリットがあります。

 

いったい、どういう場合に副業先でも社会保険に加入する義務が生じるのでしょうか?

 

次の要件を満たす場合には、その会社で社会保険加入義務が生じます。

 

1.副業先が501人以上の企業であること

2.週所定労働時間が20時間以上であること

3.雇用期間が1年以上見込まれること

4.給与月額が88,000円以上であること

5.学生でないこと

 

「501人以上の会社で副業することなんてないんじゃないの」

という声が聞こえてきそうですが、飲食店、コンビニなどお店自体は小規模でも、そのお店を経営している会社は501人以上ということはざらにあるのです。

 

では、もし、社員が副業先で社会保険に加入することになったら、皆さんの会社ではどうすればよいのでしょうか?

 

まずは、主たる給与を得ている会社で「二以上事業所勤務届」という手続を行い、給与額の合算登録をします。

 

その後、給与額に応じて按分された社会保険料が、それぞれの会社に通知されますので、その額を毎月の給与から控除します。

 

具体的には以下のようになります。

 

A社から80、B社から20の計100の給与を受けていて、100に対する社会保険料が15とした場合、その社会保険料を給与割合に応じて12:3に分けて、それぞれをA社、B社の給与から控除して、納付するという考え方です。

 

何ともややこしい話ですが、最近、この「二以上事業所勤務届」の説明をする機会が増えていますので、皆さんも是非知っておいてください。

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