森田のワンポイント・コラム Vol.28
~今、経営者に問う、20年先に世の中から必要とされる企業であるために~
新型コロナウィルス感染症、オミクロン株の感染拡大は小康状態にあり、まん延防止等も全国的に解除されました。
ブースター接種の2回目も現在の国会で予算化され5月から実施、6月には全国民の70%程度は2回のワクチン接種+1回のブースター接種を終えることになる。
塩野義製薬の経口薬の承認は6月下旬までに完了する。
自民党は夏の参院選を前に新型コロナの再燃、オミクロン株のような感染拡大を防止できる施策を講じ終えるように進めています。
ウクライナとロシアの問題と中東の油田をターゲットとしたテロがどのくらい続くかにより燃料はもちろん、日本に与える経済的ダメージがどの程度なのか
は計り知れませんが、大手企業はそれを踏まえた中長期経営計画の見直しに着手しており、年度明けには発表されることでしょう。
加えて、人生100年時代を国民が豊かに生きるために働き方改革が進められています。
『将来の不安』を多くの国民が抱える今、経営者は中長期的なビジョンとプランを示す責任があると考えます。
そこで、問います。
「あなたの会社は20年後も社会から必要とされる会社ですか?」
20年も先のことは分からない、ということでは困りますね。
現在進行形で20代や30代の若手を雇用している、あるいは、新規採用をする会社ならば尚更です。
例えば、25歳の社員の場合、20年後は45歳、一般的には家計が厳しい年齢となる入口です。
そして、良い条件での転職や再就職が極めて難しい年齢となる入口です。
定年年齢が3年後には65歳義務、70歳までの再雇用、あるいは、定年延長が義務となります。
20年後には70歳定年、75歳までの再雇用、あるいは、定年延長を義務とすることは国の方針で示されています。
このように労働者の立場からの経営、労務管理、業務管理の在り方は明らかに示されているのです。
それにも関わらず「経営者は社員の雇用を、生活を守らなければならない。
だから、働き方改革の時間外労働時間の制限の遵守や年次有給休暇の年5日取得義務、付与日数の70%取得の努力義務、勤務間インターバル9時間厳守の義務、なんて実現することができない」といった暴言を吐く運送会社の経営者がいることに驚くのです。
その発言は「自分の今を守るため」に経営している者の言い分としか思えません。
年度代わりの今、物流業界で2024年問題と謳われている経営課題を解消・改善・向上するために勇気を振り絞って立ち上がりましょう。
はじめに取り組むべきことは、自分自身をもっともっと大切にすることです。
具体的には「自分は何を目的に会社経営をしているのか?」「実現したいことは?」「手に入れたいものは?」を明確にしましょう。
明確にした目的を達成するために『曖昧で抽象的なビジョン』を掲げて、それを社員たちへ伝えて下さい。
熱意をもって、熱く熱く語って下さい。
そして、社員たちへ質問をするのです。
「みんな、このビジョンを実現するために何かやってみたいことはありませんか?」と。
社員ひとりひとりに考えさせるのです。
社長の夢や目標を叶えるために自分は、自分たちは、何をしたいのかと。
社長から言われたことは指示命令のように聞こえてしまいがちであり、やらされ感を拭えません。
しかし、自ら考えてやってみたいと出した結論はポジティブに捉え、諦めずに実行しやすいのです。
経営者や経営幹部だけが経営をしなければならない時代は終わったのです。
会社全体で事にあたれば、悩んだり苦しんだり、過去の今までの経験や実績から判断して新しい何かに取り組むことを躊躇い逃げてしまうようなことにはなりません。
働き方改革は人生100年時代だから必要となった背景があります。
人生100年時代は共生する社会です。
もっともっと社員たちと一緒に経営しましょう。
そのためには、経営者、経営幹部、管理職、一般職、それぞれがリテラシーを向上する必要があります。
教育では無く共育、職位や立場を超えて、ひとりひとりが社会人そして企業人としての能力を高めることが必要です。
景気が低迷すると教育訓練コストがまっさきに削減されてしまうのは、日本という国の悪い習慣なのです。
バブルがはじけた後、リーマンショックの後、東日本大震災の後、何度も何度も人材育成が疎かになり、その度に日本の成長が止まりました。
コロナでダメージを受けたからこそ、会社全体の力量を上げましょう。
SCT1%CLUBは2022年度から【三人四脚】による成長経営の実現を提案し、実践して参ります。
物流会社とトラック協会をはじめとした業界関連団体とSCT1%CLUBの三人四脚により、まずは、目の前の2024年問題への対応をテーマとし、20年後に必要とされる会社になるための組織づくりと経営者の能力、管理職の能力、一般社員の能力の開発向上に取り組みをしましょう。
目の前の毎日の業務を確実にこなすことは必要であり大切です。
しかし、これだけをやっていても20年後に必要とされる会社になれるかは疑問です。
本号は2021年度の最終回、そして、私が寄稿するメルマガの最終回となります。
2022年4月から私はデジタルマガジン(YouTube等で配信)『モリタイムズ』を配信して参ります。
この2年間、私の寄稿をお読み頂いた会員のみなさまには厚くお礼を申し上げます。
そして、来月からは引き続き、デジタルマガジン『モリタイムズ』を宜しくお願い致します。
SCT1%CLUBでは、2022年4月から会員制度と提供サービスを刷新します。
新しい会員制度の【ロイヤルメンバー】は、四半期に一度、本日お話をしたようなコンプライアンスチェックとアドバイスを行うサービスが年会費の中でご利用可能となります。
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