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森田のワンポイント・コラム Vol.19

西日本は早めの梅雨入り?関東の梅雨入りは発表されていませんが、どう見ても関東も梅雨入りしている天気が続いていますよね。

この時期に気を付けなければならないのが『食中毒』と『熱中症』です。

『食中毒』ですが、このように注意喚起をしている私が先週、家族ともども発症してしまいました。

一部のお取引先にはご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした。

まったく恥ずかしい限りですね。

取引先様から頂いた『カツオ』が原因だったようです。

『食中毒』の辛さを体験した当事者だからこそ、みなさまには本当に注意して頂きたいと感じています。

 

一方、『熱中症』ですが、消防庁の統計では熱中症を原因とした救急搬送が最も多いのは毎年5月なんです。

今年は新型コロナの影響で救急車や救急外来が万全の体制をとることができない為、例年以上に気を引き締めて予防をする必要があります。

昨年今年と新型コロナウィルス対策として外出機会が少なく、運動不足の人も増えています。

体力の低下、特に筋肉量が低下してしまうと『熱中症』になりやすいんです。

人間の身体は筋肉に水分を蓄えるつくりとなっていますから筋肉量の低下=熱中症になりやすい、ということなのです。

この筋肉量の低下リスクが高いのも高齢者です。身近な大切な高齢者がいらっしゃる方は、すぐに連絡してあげて下さい。

 

さて、本号は自動車運転従事者における働き方改革推進法の時間外労働時間の制限施行に向けて厚生労働省が行っている『労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会』の第5回で報告された『自動車運転者の労働時間等に係る調査結果の報告』から「トラック運送会社の経営者と運転従事者それぞれに必要なこととは」をテーマにお伝えします。

 

ちなみに、SCT1%CLUBの佐久間代表と私、森田は現厚生労働副大臣に対して前述の専門委員会で審議検討している「改善基準告示の見直し」に向けて、情報を提供し、意見交換の機会を申し入れしています。現在、大臣秘書が具体的な調整を行ってくれています。

 

今回の実態調査は『ハイヤータクシー』『バス』『トラック』の3種類の自動車運転業務を対象に実施しています。

ここでは『トラック』に絞ってお話をします。

調査対象事業場数は705事業場、自動車運転者数は4,230名です。

これから、2つ質問への回答結果をご紹介しながら私の見識をお伝えします。

 

◆「1日13時間拘束は適切だと思う」

事業者:78.9%(参考バス60。0%)

労働者:32.2%(参考バス2.6%)

1日の拘束時間は13時間が当たり前だという割合が事業者にも労働者にも多すぎます。

労使双方が1日あたりの拘束時間は11時間程度という認識にならないと近い将来、労働者の獲得はますます厳しくなります。

◆「繁忙期に1か月の最大拘束時間(320時間)を超えた割合は?」

事業者:5.2%(参考バス2.8%)

労働者:21.4%(参考バス9.6%)

事業者が虚偽の回答をしている割合が高すぎますね。これは悪意ある労働時間の改ざんが日常的に行われている可能性を示しています。

 

事業者にこのような意識があっては働き方改革時代の若者を安定雇用することなどできる訳がありません。

合わせて、21.4%もの労働者が繁忙期に月320時間を超えた拘束時間で働いているという実態も看過できません。

1日1時間半平均の時間外労働をしながら月25日働いた場合、月の拘束時間は263時間くらいになります。

これでも、月の時間外労働時間数は53時間程度となるはずです。

働き方改革関連法では月45時間超で100時間以内の時間外労働が認められているのは年6回(月)迄であり、月45時間超の時間外労働は36協定の特別条項に当てはまる理由に限り認められることになっています。

調査の結果を鵜呑みにする訳ではありませんが1/5程度の会社が2023年度中、つまり、約2年半の期間でこの状況を解消しなければならないと考えられます。

取引条件の改善がされなければ労務管理の改善もできないことは承知しています。

つまり、「取引条件の改善を急ぎましょう!!」と私は言っているのです。

荷主(発注元)となる大手中堅企業や行政機関は短期(3年)中期(5年)長期(10年)の事業計画に基づき、事業を行っています。

事業計画、企業の場合は多くが毎年12月頃から進捗報告に基づいた見直し等が行われ、3月に見直し後の新計画が決定、6月の株主総会で承認の上、当該年度の実行予算承認がされます。

従って、来年度の取引条件について交渉を行うには今年の11月までに提案等を開始していることが必須なのです。

また、行政機関の場合、3か年または5か年の計画で予算を執行します。

該年度の進捗や成果の検証は10月から12月で行われ、次年度予算案の見直しが行われ、年明け1月~3月に一般競争入札が行われます。

従って、来年度の一般競争入札に応札し良い条件で落札したいのであれば、今年の9月・10月には対象となる行政機関へ報告や陳情を行っている必要があるのです。

月あたりの拘束時間数や時間外労働時間数に問題を抱えているトラック運送事業者が前述の『適切な営業活動』を2024年4月1日の働き方改革関連法適応迄に行えるチャンスは2021年、2022年、の2回しかありません。

2023年にもチャンスはあるだろう!!と思う方もいるかも知れませんが、2023年に行う2024年度予算における業務受注の営業では、自社の労務管理体制が整っており、その体制で確実に収益が出せることが確認されている必要がありますよね。

つまり、前年の2023年度は新しい人員体制や設備で業務を開始している、あるいは、新しい取引先との契約により労務改善が出来ている必要があるのです。

 

結論、2021年下期から拘束時間数と時間外労働時間数を遵守できる業務を受注できるように営業を開始し、2年間かけてそれを実現できるように変化して行くことが必要、となります。

 

この報告書には、他にも『連続運転時間』や『労働時間と疲労度』などをテーマにした質問と回答結果も報告されています。

ご興味ございましたらPDFデータの報告書を送付致しますので事務局までご連絡下さい。

本号はここまで。

次号はコロナ禍の労働市場と中途即戦力採用のポイントを助成金情報と合わせてお話したいと思います。

お楽しみに!!

 

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