社労士の労務管理アドバイス Vol.7
皆さん、こんにちは。社会保険労務士の濱﨑です。
今、「STAY HOME」や「テレワーク(在宅勤務)」で、
メンタル不調者の問題が起こっているといわれています。
今回は、メンタル不調者対応ということで監督署時代の話を思い出したので、そのお話をしようと思います。
人事担当者が窓口に神妙な面持ちで来ました。
私 「どうされたんですか?」
会社 「実は、メンタル不調者の対応でどうしたらよいかと・・・」
会社 「実は、長いことメンタル不調で休んでいるんですが、退職していただけないかと」
私 「就業規則はどうなっていますか?」
会社 「ええ。就業規則どおりなんですが、どうにかなりませんか?」
就業規則を整備したときに、あまり使うこともないだろうと決めてしまったという。
それで、今回、就業規則どおりに対応したら、長期休業者が発生してしまったとのこと。
私 「うーん、難しいですねぇ。ところで、どのくらい休職されているんですか?お給料は?」
会社 「給与は、休職中は全額保証されます。で・・・、今年で8年目です」
私 「 ?!(なんで、こんな休職規定をつくったの~) 」
さて、今回の例からすれば、
「制度をきっちり作る」
ことが結論になりそうですが、もう一歩先のお話です。
制度が間違って使われないように、事前に従業員に必要な知識を提供していますか?
ということです。
「知識の提供」とは、制度の利用方法を説明することだけではありません。
今回でいえば、メンタル不調にならない方法やメンタルへルスに関する知識を授けることで、
「この制度を使わないで健康に生活できるほうがいいな」と考え方を変えてもらい行動を変化させる、
結果として適切に制度運用できるようにするということです。
制度を正しく使ってもらえるように、そもそも制度を使わずに従業員には健康に働いてもらえるように
会社が事前サポートできれば、結果として会社の負担が軽くなります。
先々を見越して事前対応する、こうした「重要だが緊急でないこと」にもどれだけ気をまわせるかで、今後が変わってくるといえるでしょう。
そんな視点で制度運用を見直してはいかがでしょうか?
ご参考になれば幸いです。